輸送の概念を覆す新たなプラットフォーム
近頃にわかに騒がれ始めたMaaS(Mobility as a Service)。
MaaSは目的地までの移動を予約から決済まで、スマートフォンからワンアクションで完結できる画期的なサービスです。
この仕組みを物流に当てはめ具現化するのがフィジカルMaaSです。
従来のサプライチェーンとの違いはプラットフォーム化。
プレイヤーそれぞれの役割を明確にするとともに、リスク&リターンを透明化し、スムーズなバトンタッチが行える環境づくりが必要です。
サプライヤー中心の現行SCMをレイヤー化し、すべてのプレイヤーがチームの一員として、それぞれの役割を果たし戦略を実行していくことで、新しい価値を生み出して行くのです。
物流網のインフラ化〜AIテクノロジーが物流を変える〜
フィジカルMaaSとは、トラックや鉄道貨車などの輸送機器を一元的に運行管理することで、AIが届け先までの最適な輸送経路を検索し、配車計画はもとより経由するすべての運輸機関への支払いまで、ワンクリックで行うサービスです。
つまり、従来”人”が行っていた複雑な作業を、AIテクノロジーが合理的かつスピーディーに遂行するのです。モノの移動は、需要予測で導き出された荷物量に応じ、最適な車両台数と最適な積荷の積み合わせを行い、さらに荷主のニーズに合わせた最適な輸送経路にて行われます。
滋賀県立大学にて、エージェントベースモデル(Agent Based Model (ABM),Agent Based Simulation)を利用した、遺伝的アルゴリズムによる、最適なルート検索手法を研究済みで、複数の積み替え地点を設定することで利用可能なモデルです。
パレット循環フォーメーション〜一貫パレチゼーション化〜
フィジカルMaaS実現にあたり最大の難関は一貫パレチゼーション化。
パレチゼーション化への取り組みは、これまでも弛まなく行われてきたが、それにも拘らず、未だにバラ積みが7割を占めるとされています。それは、パレットの紛失・盗難などの深刻な事情があります。
それらを解決するために、本来物流機材であるパレットを、積荷の一部として取り扱うようにし、それぞれのパレットに個体識別番号を設定し、積荷と同様にリアルタイムな所在地管理を行います。
さらに各運行セクションごとに管理責任者を任命することで、タイムリーな在庫管理と検品漏れ防止を図ります。
このオープンプラットフォームの特徴は、保管インセンティブを設け、パレットの保管・管理を受荷主業務の一部として付加するようにします。
そうすることで、受荷主もプレイヤーとして参加することができ新たなビジネスが生まれます。
このようにしてパレットのロケーション管理を行うことで、紛失・盗難を防止し、パレットは必ず所有者のもとへ帰ってくるのがパレット循環フォーメーションです。
TRL(Transsipment Relation Logistics) で物流革命!
フィジカルMaaSでは、基本的に荷物の長期保管はしません。フィジカルMaaSの拠点センターは、荷物の積み替えのためのTC(トランスファーセンター)になります。物流のインターセクションにTCを設置し荷物の積み替えを繰り返しながら”モノの移動”を行います。
フィジカルMaaSが実現すると、トラックドライバーはTCからTC間を往復するだけでよくなり、日を跨ぐような長距離輸送&長時間労働から解放されるでしょう。
実際にTCを機能させるには、迅速な荷物の積み降ろしが”キー”となる。フィジカルMaaSでは長時間を要する手荷役作業は一切行わず、パレチゼーションのみの運用を目指します。
TCは自動化され、荷物の積み替え作業は”自動積み降ろしマテハン”(特許取得済)が行う。また世界初の”ドライブスルー式レーン”(特許取得済)を導入し、ウィング荷台の両側から積み降ろし作業を一気に完遂するようになります。
さらに”積み合わせの最適化”と”輸送ダイヤ”の構築により、これまで悩みの種であった復路荷の確保がスタンダード化の実現を目指しています。
私たちのフィジカルMaaSが実現することで、物流業界の抱える問題のほとんどが解決できるのです。